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【ネタバレ】ボヘミアン・ラプソディ レビュー〜バンドマンの苦悩〜

バンド

かつてバンドで楽器を弾いていたオヤジ世代から、クイーンを知らない世代まで幅広い年齢層から映画「ボヘミアン・ラプソディ」が支持されています。
ある人にはドキュメンタリーに見え、またある人には知らない時代の伝説を知る思いでしょう。

そもそも、クイーンは1970年代にイギリスからデビューしたロックバンドなのです。
映画「ボヘミアン・ラプソディ」はクイーンがバンドとして活動を始め、栄光、葛藤、再生といったバンドの内面を描いています。

ロックバンドとしてのクイーンを知らない若い世代、今まさにバンドをやっている人たちに「ボヘミアン・ラプソディ」で見えるバンドマンの苦悩をご紹介しましょう。
「ボヘミアン・ラプソディ」には、バンドマンの「あるある」がたくさん詰まっているのです。

ネタバレありなので、ご注意をお願いします!

フレディは最初からフレディだった

映画は、ボーカルのフレディ・マーキュリーを中心に描かれます。

フレディ・マーキュリーがクイーンのボーカルとして、歌っている姿をリアルタイムで見た事のある人にとって、印象的なシーンがいくつかあるはずです。
そのひとつが、映画の中でフレディが最初にバンドのボーカルとしてステージに立った姿ではないでしょうか。

マイクスタンドを壊して、マイクとマイクスタンドを握り締めて歌う姿。

その姿こそ、クイーンのボーカリスト、フレディ・マーキュリーそのものだからです。
映画の中では、「パキ野郎」(パキスタンからの移民の蔑称)と言われながらも、ひとたびマイクを持って歌い出せば、もう彼はフレディ・マーキュリーになっていました。

レコードデビュー前から、フレディはフレディ・マーキュリーとして歌い出したのです。
移民の子ファルーク・バルサラではなく、ロックを歌うために生まれた男。
それがフレディ・マーキュリーだったのです。

バンドマンは貧乏

新しいボーカルとしてフレディを迎えてからも、バンドは苦労が続きます。

ライブと言っても学園祭中心でギャラは安く、移動に使うクルマもオンボロ。
21世紀のバンドマンなら、動画を投稿して起死回生のヒットを狙う事も考えるでしょう。

でも、映画の中ではインターネットはまだなく、フレディたちは苦肉の策としてクルマを売ってレコードを作る事を思い立ちます。
レコードがヒットすればお金になるからです。

今でこそパソコンなどで手軽に音楽を作れるようになりましたが、当時レコードを作る=レコーディングにはお金も時間も必要でした。

レコーディングしたい、新しい機材を買いたい。バンドマンはいつもお金に悩まされています。
バンド経験者なら「分かるなぁ」とうなずくシーンでしょう。

レコーディングという作業

クルマを売ったお金でフレディたちは、念願のレコーディング作業に入ります。

レコーディングのプロセスにも、バンド経験者のあるある感に溢れています。

テープ(当時は磁気テープに録音していた)が擦り切れて劣化する程に何度でも録り直したり、新しい音を探し求めて試行錯誤を繰り返したりとフレディたちは音を紡いでいきます。

「誰も聴いた事のない音楽を創りたい」

音楽を志した事のある人は誰しもそう思うはずです。

世界のどこにもない、自分たちだけの音楽を創り出す。
そんな熱くて若いエネルギーがスクリーンから伝わって来ます。

それはクルマを売って最初にレコーディングした時も、アルバム「オペラ座の夜」で成功した後でも、レコーディング中の彼らは、「オレたちがクイーンだ」という思いでレコーディングに臨んでいます。

ライブという一体感

苦労して作ったレコードがヒットして、クイーンはバンドとしての地位を確立します。

ライブでイギリス各地はもちろん、世界中をツアーで回ります。
英語を母国語としない国でも、自分たちの作った歌を英語で歌ってくれる観衆にフレディは感激します。

バンドとライブ会場にいる観客が一体となった瞬間です。

何千人というお客さんが手を振って、自分たちの歌を歌っている光景。
その一体感からフレディは「観客にも演奏に参加してもらいたい」と思いつきます。

その想いが結実した曲が「We Will Rock You」です。
「ドンドンパン」という足を踏み鳴らし手を叩くイントロのアイディアは、ライブという一体感から生まれたのです。

栄光と孤独

ライブ、レコード。音楽を通して誰かと一体感を得たい。

フレディのそうした思いは、彼の出生などに由来します。

移民の子でありながらロンドン生まれと偽ったり、同性愛者ある事に悩んだりといったフレディの内面、そして多くの人(大衆)に自分たちの歌を届けたいというふたつの思い。
マイノリティであるからこそ、マジョリティへの強い思いが映画で表現されています。

ミリオンセラーで掴んだ栄光とマイノリティであるが故の孤独。
マイノリティとマジョリティ。
それがドキュメンタリーであれ、フィクションであれ、この映画が持つメッセージのひとつかも知れません。

バンドの再生とフレディが観たもの

栄光は、いつも永遠には続きません。

バンドで成功したフレディに、「ソロアルバムを作らないか?」
そんな提案がもたらされます。巨額の契約金と自分だけの音楽を創りたいという思いからフレディはソロアルバムの制作に取り掛かります。

その結果、クイーンはバンドとしての活動休止という状況に追い込まれ、フレディは孤立してしまいます。

しかし、クイーンをバンドとして再生させたのも、音楽の力でした。
音楽史上に輝くイベント「LIVEAID for Africa」への出演をフレディは決意します。

「音楽の力でアフリカの飢餓を救おう」

ロックバンド・U2のボノが呼びかけたイベントにバンドマンたちが集結したのです。

自らの命に限りがある事を知ったフレディは、バンドとしてブランクをはねのけ、世界中へ生中継されるライブに臨みます。

後に「鬼気迫る演奏」と評された伝説のライブでした。
20分に及ぶ演奏シーンはLIVEAIDを忠実に再現し、当時を知るファンをタイムスリップさせ当時を知らない世代に音楽の底力を知らしめるでしょう。

数千、数万の聴衆のいるライブステージから、フレディの目は何を見ていたのでしょうか。

まとめ

いかがだったでしょうか?

バンドマンという視点から、ボヘミアン・ラプソディのレビューを記載しました。
ぜひボヘミアン・ラプソディをご覧になってみて下さい!

このレビュー記事があなたのご参考になれば幸いです。